
児童福祉法の改正、介護保険法の施行、社会福祉事業法改正(社会福祉法)、支援費制度の施行等、社会福祉の基礎講造改革により社会福祉法人の経営環境は大きく変化し、自主的事業主体への体質改善が求められることになりました。
社会福祉法人は福祉サービスの供給主体として、戦後の混乱期やその後の高度経済成長期、日本独自の社会システムを創り上げるうえで大きな役割を果してきました。
しかし近年は、日本社会の成熟化に伴い多様化する福祉サービスニーズに対応する役割を果せていないとの批判も生まれています。
措置制度についても、利用者の選択の自由がない、低所得者優先のシステムである、お役所仕事で融通が利かない、サービス改善への創意工夫の芽が育ちにくい、事業者にコスト意識や事業者意識が育たない等の問題点が指摘されてきました。
このような国民の福祉ニーズの変化に押されて、社会福祉法の制定、利用方式への転換、資金運用制限の緩和、医療法人・普通法人・学校法人・NPO法人等の参入による福祉サービスの供給体制の多元化が進められてきました。
新しい社会福祉制度は経営効率と社会福祉のバランスを図るうえで前進しましたが、その制度が効果を発揮するためには運用が大切です。具体的な運用は人に掛かってくるものであり、福祉に対する発想の転換がなければなりません。
社会福祉法人には、この「変化の時代」を乗り切るために「利用者の選択を視野に入れた事業展開」を進める意識改革・経営改革が必要となっています。
社会福祉法人の運営費はこれまで人件費をベースとした年額一括補助方式で給付されてきましたが、今後は実績出来高払い方式及び利用料(介護保険収入、支援費収入等)に転換します。
この変化に対応するには、利用者を顧客として受け入れる発想の転換と、自らの努力によって利用者を獲得し、必要な資金を事業収入として稼得する経営思考がなくてはなりません。
また、実績出来高払い方式は収入が不安定となるため、事業計画が達成できない社会福祉法人においては支払不能に陥る危険が高まります。
このような予期せぬ資金不足を回避する方策は、まず職員全体がコスト意識を高めることです。
そして法人運営のシステムを見直し、シビアな予算統制により部門別、項目別に現場支出額の管理を実行することです。
新会計基準は、措置から契約への制度改革に対応するための会計制度です。社会福祉法人の計算書類は公開が義務付けられたことにより、一般社会と会計情報を共有できる資料を作成するための会計基準が必要とされ、社会福祉法人会計基準が制定されました。
新会計基準は監督官庁への報告書作成マニュアルに留まらず、社会福祉事業の成果の測定と法人の現況評価のツールに変わりました。
更に社会福祉法人の公益性を守る上で予算統制による運営が求められ、資金収支計算書、事業活動収支計算書、貸借対照表、財産目録等の計算書類により構成される会計制度が創設されたのです。
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